歴代最速の@ダーツ

2ヶ月でAフラになりました。2か月3週間でAAフラになりました。そんな僕の成長見守りブログです。第一人称不安定

【ダーツ】イップスの知り方・治し方

この度、イップスに関する体験談を私に提供してくださった70人の皆様並びに情報の収集を手助けしてくれた皆様、そして共に情報を共有してくれた皆様に感謝の気持ちを込めお礼を言わせていただきます。

 

 

こんにちは、きしです。

このブログを書くにあたって1か月の調査と数日にわたる執筆を行ってきました。

結果的に、3万字を超えるイップスメモが出来上がり、この記事の文量もそれに匹敵するかと思います。

誤解無く理解されるために必要だったとはいえ、あまりに多いと感じる方もいらっしゃると思います。

そうした方のために、簡易版も書きますので、そちらを読んでください。

 

 

 

 

 

 

 

【はじめに】


私は、ゴルフのトミー アーマー選手が初めて使った『イップス』という病気がダーツにおいても見られることから、新たにダーツに特徴したイップスの分類を行いたいと考え、ここにまとめることにしました。イップスは単純な怪我などによる障害ではないため、正しく認識されにくく、他のイップス経験者やプレイヤーから「君のそれはイップスではない」や「イップスはメンタルだからね。」と批判されることが多いようです。
私はそうしたイップスに悩む方を減らしたい。
今回はイップスに関する定義や認識をしっかりと定め、そこから原因や改善策を普遍的な情報として共有し、イップスの予防改善に役立ててほしいと願っています。

 

 

【概要】


本編では、
1. イップスの定義を考えるーここではイップスの定義から原因の分類を行います。
2. イップスの原因を考えるーここでは原因ごとにイップスを説明します。
※簡潔にイップス体験者の症例やデータを記載します。
・イメージとパフォーマンスのズレにより生じるイップスと克服法
・失認により生じるイップスと克服法
心理的苦悩により生じるイップスと克服法
ジストニアにより生じるイップスと克服法
3.イップスの症例から考えるーここでは詳しくイップス体験者の症例を記載します。


このように展開する予定です。
言い回し、言葉足らず、情報不足などによって誤解を与えてはいけないと思い大変長いレポートになってしまいました。

 

 

イップスの定義】


イップスは様々な原因があるため、明確な対処法はない』
イップスはメンタルが根本的な原因である』
イップスという病気がある』

これらの言葉が随所に散見されます。
私は、これらは全て間違った考えであると考えています。

まず、『イップスは様々な原因があるため、明確な対処法はない』
イップスの原因は様々ではありますが、千差万別ではありません。原因からどういったイップスの型なのか分類することが可能で、その原因から論理的に改善策を見つけることができるからです。誤解のないようにつけたすと、症例の多い上位4件ほどに分類するためそこに入らない原因も出てくると思います。改善策も100%合うわけではありません。しかし、それはどんな病気や薬にも言えることであり、今回の主旨と離れてしまうため例外になってしまった場合は個別に対応したいと思います。

 

次に、『イップスはメンタルが根本的な問題である』
大いに間違った解釈です。メンタルが原因となるイップスも存在しますが、一方で全く関係のない機序で発生するイップスもあります。私が最も正したい認識の一つでもあります。
ただし、どんなイップスも「原因が不明瞭なのにダーツが投げられなくなるという点」で急激な成績悪化も伴い非常に強い不安やストレスを感じます。それは、イップスによる後発的な精神問題でありイップスの原因とは全く違った毛色であることは理解できると思います。

 

最後に『イップスは病気である』
大きく間違ってはいない認識です。ただし、正確に言うならイップスは症状であり一つの病気ではないのです。イップスには何種類もの原因があり、その全てを内包した概念のようなものです。なので、イップスを克服するには! では不十分です。○○型のイップスを克服する方法 として今回は記述していくつもりです。


前置きが長くなりましたが、イップスの定義について触れていきたいと思います。

ダーツにおけるイップスとは、『反復練習によって習得した巧緻動作が、思った通りに遂行できなくなる様々な症状の総称』であり、主な原因をイメージとパフォーマンスのズレ・失認・心理学的苦悩・ジストニアに分類することができる。しかし、これらの原因は併発する場合もあり、また症例が少ないが視覚・自律神経異常も見られる。さらには私には原因が推測できなかった症例もある。


と私は定義しました。

 

なぜ、私が病気の定義から始めたのでしょうか?
イップスの定義は至る所でされているはずです。

 

理由は、研究の少なさです。論文として発表されているもので30件弱しか見つからず、その多くはゴルフ・野球についてでありダーツに関するものは皆無といっても過言ではありません。

ゴルフや野球についての論文ももちろん参考になりますが、彼らの多くはプロであり一般的なダーツプレイヤーとは日々の環境が異なります。そもそも行う巧緻動作が違うため、使う筋肉が異なり、プレイに支障がでる症状も異なります。

そうした中、より分かりやすくイップスを分析するためには独自の定義付けが必須でした。

 

 

※注意※

この定義は他者を診断するために用いないでください。
イップスを他人が肯定/否定することは、場合によって本人の苦悩を助長してしまいます。
この定義は、イップスに罹ったのかな?という患者本人が読み、どの症状に近しいかを考えるために使ってほしいと思います。

 

 

 

閑話休題


今からそれぞれの型のイップスについて話すわけですが、ダーツを投げるメカニズムについてここで少しだけお話しします。なぜかというと、このメカニズムのどこに異常が発生しているかが分かればイップスの違いが分かりやすくなるからです。

 

私の大学教授著作のスタンダード生理学から一文引用すると、「精巧な随意運動や熟練を要する巧緻行動を行う場合、①運動の企画・計画、そして②精巧な運動プログラムを作る必要がある。これを出力するのは大脳である。」だそうです。

 

他にも、「体が覚えた運動に関する記憶が運動技能である。このような記憶には小脳や大脳基底核が関与している。」これは自転車を例に出していました。

一度自転車に乗れるようになると、その方法は技能として永続的に記憶されます。

その記憶される場所は小脳や大脳基底核です。という内容

 

 

さらに、小脳は運動・運動学習に大きくかかわっており「小脳半球部の障害や変性では、随意運動の開始・終了の迅速性や円滑性並びに運動中の協調性・予測性が強く障害される。運動開始が遅れ、行動目標の前でのふるえ(企画振戦)がおこる。手足を予測通りに迅速に動かすことができずに、目標を外す(推尺異常)。また動作を滑らかに協調して実行できない(解構や協同失調)。このように、小脳障害時には、視覚性や運動感覚・皮膚感覚を用いてフィードバック制御により動きを逐次修正しながら運動を実行すると思われる。」

この諸症状は、イップス経験者はなにか思い当たる部分はないのかなと記載しました。

 

 

上記の内容は、どれもに関係あることです。
通常脳が運動の計画を立てて、身体に指示を送り、身体が実行する。というプロセスをたどって動作を行っているわけです。


ただし、ダーツの場合は動作が非常に巧緻であるため ダーツを投げる動作 回路を作る必要があります。この回路の獲得を運動学習といいます

 

※運動学習とほぼ同じ意味で使っている回路とは、運動学習に使われている脳神経回路の略です。なんとなく使い分けていますが、あまり意味をもたせていません。

 

※運動学習とは、練習によって獲得される比較的に永続的な効果のこと。


自転車に乗るなどの粗大運動は、機能が保存されやすい。
一方、ダーツは投げる動作だけなら粗大運動とも考えられるが、ターゲットを狙うというより精緻な技術を求められるため回路が複雑になり変わりやすく失われやすい。

 

上記の脳の回路はいわゆる潜在的な、無意識の制御といえます。
逆に、何をするかは意識的に決めます。つまり↓

 

ダーツを投げよう こんな風に投げよう →顕在意識
獲得技能 運動学習 補助筋群の制御  →潜在意識

この二つの意識のミックスで脳の仕事が決まります。
つぎに、その脳の働きを信じる精神的な自信

身体的状態。これがダーツを投げる上での要素となります。

 

脳の計画作成+回路の使用←精神的な自信→身体への伝達→実行→フィードバック

この各要素もしくは←→部分に異常が発生して治せないときにイップスが発生すると考えています。

 

 

 

【イメージとパフォーマンスのズレによるイップス


いよいよ具体的なイップスのお話です。その冒頭に持ってきた理由は、ダーツプレイヤーに最もよく知られている種類だと思ったからです。

私が調べた症例の内、最多の27例を占めており全体の45.7%でした。

 

イップスの原因はフォームのズレ』という話はよく聞きます。そういう方の多くは、このタイプのイップスといえるでしょう。

では、まずその原因について説明していきます。

 

《原因》


イメージというのは、「自分はこう投げている」「こんなフォームで投げたい」という意識のことで、顕在意識といえます。
パフォーマンスというのは、実際にどんな動きをしているのか。

このズレが何らかの理由で生じ、乖離が大きくなってしまった時に脳の回路が壊れたり、身体的に実行不可能なフォームになってしまったことで、ダーツを投げられなくなります。

この原因というかきっかけが多いため、ダーツプレイヤーによく生じると思われます。

 

例えば、Aさんの事例


ダーツを初めて1年、RT8くらいの時に発症。
怪我で入院しており、ダーツに復帰しているタイミングで知らない人からフォームを矯正されたことが原因。腕が前に出せなくなり、前のフォームに戻すこともできなくなった。

このAさんの場合、「他人からフォームを矯正」という明確なきっかけがありました。さらに、怪我からの復帰中で新たに脳回路を形成しようとしていたという点も関係あるかもしれません。
他人からフォームを変えられると、自己回路と実行した時のフィードバックに差が生じます。運動学習はフィードバックに合わせて変容していき、その変化の一部は永続的に残ります。
結果的に、前と違った運動学習・回路が残ることになります。その無意識の回路を元にダーツを投げるため、元々のフォームor相手のフォームのどちらをイメージしていても違ったパフォーマンスをしてしまいます。

これが、イメージとパフォーマンスがズレる原因です。

 

 


Bさんの事例

 

も見ていきましょう。


RT10の頃に発症。原因は某プロのフォームに似せようとしたこと。さらに、ホームに騒がしくする人が増えた。腕が出ない、リリースポイントを見失う、矢に力が乗らないなどの症状が出たことで、練習しているのにどんどん下手になっていく…と現在進行形。

BさんはAさんと違って、他人のフォームを真似しようとしてしまったパターンであると考えられます。

他者のフォームというのは、自分と身長や体重、筋肉量、骨格ととにかく差が出やすいので完全にコピーすることはできません。

さらには、真似することができるのは外見というか結果だけです。脳の中でどんな命令が組み立てられているのか、どんな意識で組み上げられたフォームなのか、フィードバックポイントはどこにあるのか 等々の内面を知ることができないのです。

つまり、形から取り入れたフォームを実際に行うことができないばかりか、そのフォームの使い方も分からないことになります。

イメージにパフォーマンスが全く追いつかないことによるズレが生じやすいともいえます。

それに、今回は「騒がしい常連客」という外部環境がストレスを産み、脳の機能に何らかの阻害になったかもしれません。

 

 

AさんとBさんの例を挙げましたが、これとは全く異なるパターンも存在します。
そのパターンを 付け焼刃型と呼んでいるのですが、Cさんの事例をもとに説明します。

 

Cさんの事例

 

Cさんは、RT15の方で最初のきっかけはグリップが決まらないことでした。
そのため、Cさんはテイクバックエンドをひくくする→深くなりすぎてフライトが肩に当たるようになる→それでも足らないので更に手首を捻って深くテイクバックをするという対処をしました。

Cさんが言うには、グリップができなかった原因もフォームが半端だったから、とのことです。

つまり、フォームに問題が生じたことをきっかけに、その問題に対処するためにフォームをいじる。そして、問題が生じるたびにフォームを少しずつ変えていく対処療法のようなダーツの修正です。

これだけ聞くと普通のことですが、「付け焼刃型」という言葉を思い返して下さい。この問題の解決法は原因を特定して対処するのではなく、目に見える問題を解決するように付け足したフォームの修正なのです。
最初は単純で理論のあったフォームだとしても、そこに何度も付け足した修正を加えることで歪になっていきます。歪なフォームは脳で制御するのが難しいだけでなく様々な問題が潜んでおり、さらには身体への負担も強くなることがあります。

付け焼刃型の修正は、修正を重ねるほどに理にかなった型からズレていきます。そして、イメージが身体的に不可能な物になることでイップスとなるようです。

Cさんも、無理なフォームになったことでスローの時に重心が大きくぶれ、また力が入ることで肘を痛めました。

また、Cさんは大変協力的な方で多くのお話を聞くことができました。最後の詳しい紹介でも述べる予定です。


このように、AさんやBさんのように他人のフォームに影響されるパターンや、Cさんのように付け焼刃型を紹介しました。この三者に近い症例がこの「イメージとパフォーマンスのズレによるイップス」の殆どを占めています。ですが、最期にもう一つ少し珍しい事例も紹介したいと思います。

 

Dさんの事例


Dさんは、肌が乾燥して手が滑ってしまうことが原因でした。そこから、滑らないように強くグリップしてしまい、結果的にグリップイップスになりました。症状としては、ダーツが指から離れなくなって投げられなくなることです。

Dさんが他のパターンと明確に異なるのは、脳やフォームが原因ではなく外的要因からイメージとパフォーマンスのズレが生じている点です。

Dさんはおそらく正しい状態で正しくグリップをしていたはずです。しかし、手の乾燥によってダーツが滑ってしまうというパフォーマンスが引き起こされました。

身体的ではない原因に対して、そのイメージとパフォーマンスのズレを修正しようと強くグリップしてしまうようになった、ということです。

また、似たような事例としてバレルを全く違うタイプに変えた途端になぜか投げられなくなったという道具を起因とするものもありました。


《対処法》


さて、計4人の事例を紹介してきました。
つぎに、このイメージとパフォーマンスのズレによって引き起こされるイップスの対処法について考えていこうと思います。

 

根本は 『原因を特定し、理論的にフォームを自分で構築すること』 です。
禁忌は 『とりあえず投げ込み』 です。

 

なぜなら、このイップスの特徴として、自分で理論的にフォームを作っていないことが挙げられます。

そして、異常な運動パターンを学習してしまっています。

なので、第一にすることは、異常な運動パターンの解消です。
運動学習について上記で触れていますが、これは比較的に永続的な練習の成果であり、連続する練習で強化されたり変化します。
異常な運動学習があるのに、さらに練習をつめばこの異常な運動学習をより強固に固定してしまう可能性が高いのです。


では、どうするか。方法は二つです。

一つ目は時間を掛けることです。運動学習は精緻なほど時間を掛けることで失われていきます。いわゆるリセットですね。
実際に克服した多くの方は、数か月~数年間ダーツから離れてから復帰したそうです。

二つ目は全く新しい運動学習を作り上げることです。難しいですが、あまり長い期間を開けないで済みます。
どうするかというと、自分で理論をつくりフォームを1からくみ上げていきます。こうすることで、新しい運動学習を獲得するのです。そのためには、初心に帰ることと勉強が必要です。具体的な内容に関しては、私のブログの『Bフラの壁の壊し方』などを参考にしてください。ここでは割愛します。

ひとつ、参考にしてほしいのは人体構造学 人体解剖学の独学です。この筋肉をうごかせば、この関節が動く。ダーツに必要な動作には、この筋肉。しっかり立つためには実は背中のこの筋肉が大切で…

新しい知識を得ると、新しい理論が芽生えます。もしこの手の話が好きな方は、イップスでなくともぜひ勉強してみてください。将来のイップスの予防にもなると思います。

もちろん、筋肉は随意的に動かすわけではありません。無意識のうちに制御するものですが、知識があるかないかでは制御も変わってくるというわけです。


また、Dさんのように外的要因なのに自分のフォームをいじってしまうのは良くありません。原因が明確ならば、素直にその原因に向かい合うことが大切です。
このパターンはイップスにまで進展しにくいので、意識しすぎる必要もないでしょう。対処療法で間に合う部類です。

 

 

 

【失認によるイップス


先述の「イメージとパフォーマンスのズレによるイップス」は脳の回路の異常といいました。言い換えれば悪い癖です。
今回説明する「失認によるイップス」は脳の回路が一時的に失われることで、プレーに支障が出る型です。ダーツでこのイップスが言及されていることは少なく、「そんなのイップスではない」と言われることが多かったという経験談をよく聞きます。

失認タイプは件あり、全体の13.5%なので少し珍しいといえます。

 

《原因》


まずは原因とメカニズムから説明します。
失認とは脳科学辞典に「ある感覚を介して対象物を認知することの障害」と定義される。ある感覚、例えば視覚で述べれば、視覚的に対象を認知できないが、視覚そのもの要素的な異常や、知能低下、意識障害などに対象認知障害の原因を求めることができない症候である。」と記述されています。

対象物=運動学習の回路 という場合のお話なのです。


分かりにくい方はゲシュタルト崩壊を考えてみてください。

ゲシュタルト崩壊とは、知覚における現象の一つで、全体性をひとまとまりの構造(これをゲシュタルトと言います。) が崩壊し、個々の構成部分をバラバラなものとして再認識してしまうことで、元々の意味が解らなくなることです。
ゲシュタルト崩壊には、文字を見続けることで発生すること(視覚)が有名ですが、触覚 聴覚などにも起こることが分かっています。
ファウストは、最初このゲシュタルト崩壊を失認の1つとして報告しましたが、今では健常者でも発生することが知られています。

 

 

ゲシュタルト崩壊を具体的に例えると、

 

「複雑な文字 を 繰り返し見ること で 文字のパーツがバラバラになり 全体としての意味を理解できなくなる。」

 

ダーツで例えてみます。

 

「多くの関節や筋肉を連動させる複雑精緻な行動 を 繰り返し行うこと で 各関節や筋肉の動きをバラバラに感じてしまい 一連の滑らかな動作を認識できなくなる。」 


なんとなく理解ができてきたでしょうか?

もちろん、普通にプレーしている方が罹るものではありません。このイップスを発症する方にはいくつもの特徴があります。

 

 

その特徴や失認する過程をEさんの症例から考えていきます。

 

Eさんの症例

 

Eさんはダーツ歴半年 Aフラ直前という時期に発症し、1投目が投げられない・腕が出ないなどの症状が出た為ゲームを行うことができなくなりました。原因はユーミングが長く大きいことだったかもしれないと。
Eさんは、このままではまずいと思い一人で黙々とカウントアップをこなすことにしました。違和感があっても構わず速いテンポで投げ続けることで何とか回復しました。

Eさんの症例を分析すると、Aフラになるためにユーミング等フォームを気にし始めた。これをきっかけに一時的に無意識の制御に顕在意識が混入、上書きすることになります。

ここで落ち着いて一歩引くようにしていれば、これ以上進行することなくただの不調として終わっていたと思います。しかし、Aフラになるというプレッシャーにより、投げ方を思い出そうとより強く意識してしまいイップスにまで進行してしまいました。

 

しかし、ゲームから離れ速いテンポで投げ続けることで、無意識の制御を取り戻しました。

そもそも、この投げ方・運動学習・回路・無意識の制御…ぜんぶほとんど同じ意味なのですが、これらは急に忘れるようなものではありません。ただし、顕在意識の陰に隠れて認識できなくなっているだけです。

 


《対処法》


失認型をまとめると、
・Aフラ前後で、ある程度成長しフォームを気にし始めた時期に多発。


・フォームの1パーツに意識することで全体的な滑らかな投げる動作が認識できなくなり、最終的に投げる行為そのものの方法が分からないから投げられなくなる。

 

つまり、回路やフォームが壊れているわけではありません

 

失認型が頻繁に「それはイップスではない」と言われる原因はそこにあります。
先述のイップスの型からすると、かなり正反対なのです。

 

失認型は、回路が壊れているわけではないので1度投げるタイミングがあうと次の1投も投げることができます。(そうでない場合もあります)


そもそも、回路やフォームに異常があるイップスでは投げられることがイップスではないと断定する根拠になります。

 

失認型イップスの克服法は、何も考えず速いテンポで投げ込むことです。


Eさんのように成績のつかないゲームで、違和感があってもテンポを守って投げることが大切です。そうすることで、認識できなくなっている回路をもう一度使用できるようになります。
Eさん以外の失認型イップスの方で、メトロノームに合わせて投げることで投げ方を取り戻したという方もいらっしゃいました。

この投げ込みは、他のイップスでは禁忌であることも多いので、やはりイップスではないと言われがちですね。。


このイップス議論については、次の記事でまとめます。
失認型はややこしく、今回うまく説明しきれた気がしません。

 

kapple1209.hatenablog.com

 

こちらに書きました。

 

【心理学的苦悩】


メンタルが原因で発症するイップスは、この心理学的苦悩に分類しました。
その数は多く1830.5%を占めています。

そもそも、プロゴルファーのイップスと言えばこのタイプが最も有名で、一般的な方の中で一番の知名度でもあります。

一方で、この型しか知らない方が「イップスはメンタルだから。心が弱い」と誤解して発言することで他の多くのイップス経験者に悲しみを与えてしまっていることもまた事実なのです。

 

《原因》

 

脳の計画作成+回路の使用←精神的な自信→身体への伝達→実行→フィードバック

 

これは、ダーツを投げる過程を身体機能・構造的に表したものです。

 

この精神的な自信とは、いわば「その行動を行っていいのかという判断」であると言えます。脳の計画+回路の使用によって命令が身体に伝えられる前に、何か不備があるかチェックが入ります。


不備があれば、「不安」「できない気がする」という感情が生まれ、脳に対して再計画を促します。


この不備が解決できない場合、脳の指令を実行する許可が下りないので投げることができなくなります。また、無理に投げると命令を正しく体が受け取れずめちゃくちゃな飛びになります。


その他にも心理学的苦悩による弊害は存在します。
・「不安」などのストレスは筋肉を緊張させ力の伝達がうまくいかなくなる要因にもなりえます。
・ダーツの飛びは物理的に高度な計算が必要であり、ストレスは脳の演算機能も低下します。

心理学的苦悩は、他のイップスと比べると明らかに原因になりえる事象の種類が多いのです。

今から、その代表例として多く見られたものを挙げていきます。ただし、症例まで挙げると文字数の関係で先に進めないので巻末の諸症例を参照していただきたい。


① トラウマ的体験
プロゴルファーのイップスとして良くあるタイプ。
→重要な局面の短いパットをミスし、優勝を逃したり観客から罵倒を受けた等
プロ野球選手のイップスとして良くあるタイプ
→投手におきがちで、暴投や死球をしてしまう等

 

ダーツの場合
→大会でアウトボード、異常な低スタッツ等

プレーができなくなったり、似た状況になった時に突然身体の制御が効かなくなったりする。

極めて緊張する局面や状況によって発生するため、トッププロと呼ばれる人達に起こりやすい。

ダーツの場合、プロでなくとも大会に出ることが可能で特別気負いする要素もあった場合に発生する可能性もある。


② 緊張
特別な失敗があるわけではないが、大会などの雰囲気に圧倒され緊張してよいプレーができなかったという経験を引きずってしまう。

前回失敗したから、今回も失敗してしまうんじゃないか…と緊張が継続することでプレーに支障をきたす。

程度によるが①に似ている場合もある。

「入らないから、投げられない」となることもある。

 

③ 怪我を恐れる
イメージとパフォーマンスのズレによるイップスで、フォームが崩れて身体に負荷がかかるという話をした。

身体に負荷がかかり、投げた瞬間に肘などに痛みが走ると、「今投げては身体が壊れてしまう」と意識的もしくは無意識的に判断し投げられなくなる。

 

※注意してほしいのは、原因は怪我ではない。怪我が原因であるならば、それはイップスではなく単なる外傷性スポーツ障害である。

 

今回述べているのは、怪我が起因となって心理的症状が出てしまった場合に、たとえ怪我の治療が完了し痛みが出ないのに投げられない時のことを指している。


《対処法》


とても個別性の高い問題です。

第一に、きっかけや原因を特定し向き合う必要があります。

しかし、それで治るかと言われると治らない場合が多いことを知っておいてください。

心理学的苦悩は、原因→心身の変化→心身の別の変化 というように変化していくからで
す。

この変化が進むと負の連鎖として強固かつ複雑になってしまいます。

それを止めるためには、

① 時間を置く。
冷静になるために時間を空けることが大切です。それで改善するかはその人次第ですが、悪化は食い止められます。


② 自分の変化について考える。
どうして私は投げられないの!? とパニックになっている方が非常に多いです。自分の原因・変化を考え向き合い、時には受容しなくてはなりません。


③ 他者と共有
他人に伝えるために、自分のことへの理解が進みます。さらに、苦悩を打ち明けることで、他人からの視線に悩まされることが減ります。
「自分は一生懸命に練習をしているのに、ミスばかりして他の人から真面目に練習していないんじゃないかって思われたら…」もしくは、そういう言葉を実際にかけられるかもしれません。それを減らすことができれば、気持ちが和らぎます。


④ 目標の設定を変える
多くの方は目標を高く設定しすぎてプレッシャーになっています。
好調子の時はいいですが、不調の時に目標を高くする必要はありません。
「俺Aフラなのにこんな成績とっちゃった…」とか思ってる方は注意です。

目標例
・ボードに届くことができる
・グループがこの程度良ければOK

 

⑤ 目標を近くに設定して集中する
クリケットとかだと、S19に1本入れる。と目標を立てて、その一本に集中しましょう。
漠然と曖昧な目標や気持ちは、思考に乱れが生じて、その空白に不安が入ってきます。
ダーツは極論3本投げ切る集中さえできれば大丈夫。
近い目標を立てて、短い集中を繰り返すことで無駄な思考が減り成功体験も増えます

 

⑥ 勝利のイメージ
⑤ の進歩バージョン。自信はそれだけで成功確率を上げるもの。勝てる道のりを考え
ながら、イメージを作って自分を激励。症状が軽くなっても、緊張すると再発するよって人向けですね。

 

 

そして、最後によく使える手段。

 

フォームなど全てをリセットして作り直すこと

 

言ってしまえば、心理学的苦悩を抱いた頃の自分と条件を全く変えて新しい自分に生まれ変わることです。
このタイプの解決法を用いた方は、左手でダーツを始めたり、1からフォームを組み立て直したりして今まで以上に練習を積むことで以前の自分を超えたようです。

 

ジストニア


最後の分類となるジストニア型。
ジストニアとは、国立精神・神経医療研究センターによると「身体の筋肉が異常に緊張した結果、異常な姿勢・異常な運動を起こす状態です。運動を行う回路に混線が生じた結果、運動するという命令が過剰に出ている状態」と考えられています。


このタイプのイップスは、私が最初に考え付いた原因でもあります。
理由は以下で説明するつもりですが、症例は件 6.7%にとどまっています。

 

これは、病気であるため安易に断定できなかった点と、ジストニアイップスの方は本人が自覚していないか完全にダーツを辞めた為バイアスがかかっている可能性があるからだと考えています

 

おそらく、潜在的にはもっと存在していると思っています。

 

ジストニアは医学界でも研究の進んでいる病気で、治療法も存在します。一方で、疑わないと発見しにくい病気でもあります。

この記事を読んで、もしや?と思う人が一人でも出るなら私はうれしく思います。

 

《原因および対処法》


まず、ジストニアのなかでも職業性・局所性ジストニアと呼ばれるタイプです。
知っておられる方も多いのではないかと思うのですが、著名な音楽家や野球選手にも見られTVで特集されることもあります。

東京女子医科大学脳神経外科では、「手に発症するジストニアは、繰り返し同じ動作を長期間行いつづけることで発症します。そのため、繊細で繰り返し反復訓練を要するような音楽家などの動作によく発症します」と記述しており、私はダーツがこれに大いに該当すると考えました。

 

ここまで読んできて、ようわからんという人のために

 

局所性ジストニアとは、繊細な動きを過度に反復することで脳が異常な運動学習を勝手にしてしまう病気です。急に発症し、急に今まで習得した技術を発揮できなくなります。

メンタルは何も関係ありません。
フォームも関係なければ、意識も関係ないですし、脳の防御機制なんかでもありません。

そういう病気です。

しかも、やり込めばやり込むだけ悪化します。ジストニアの方に安易なアドバイスは、症状を悪化させたり本人を精神的に追い込むことが考えられます。

 

《謝罪および注意》

 

私のブログで診断をすることはできません。
色々考えましたが、対処法も今はまだ書かないことにしました。

唯一、思い当たったら診察を受けてみてください。
もしくは、ご自分で調べてみてください。

ジストニアイップスの一つの原因であれば、良いこともあります。
他のイップスと比べて明確な病気であり、すでに研究が進んでいることです。
つまり、その長年の研究成果を技術を丸々使うことができるのです。

いつか、本当に医療従事者として研究したいテーマでもあります。
なので、今ここで曖昧なことを書かないという意思をご容赦ください。

 

 

【まとめ】


今回は、70人の方に声をかけていただき、そのうち59症例をデータとして使わせていただきました。一人でイップスを複数回経験した人は数例として扱い、イップスとは考えにくい、また例外的原因、原因不明も数件ずつ存在しました。もしかすると、これからもっと症例を増やすことで例外として扱ったイップスが新たに分類に加わるかもしれません。

また、今回は情報収集のツールとしてTwitterでの呼びかけを行いました。SNSの特性、またイップスを克服した人のバイアスがかかっている可能性はあります。(SNSをしていなかったり、完全に引退して呼びかけに答えていない層のデータが無いため偏っている可能性がある)

そんな不完全で、今後の変化も十分考えられる内容です。

それでも、できるだけ誤解を招かぬような表現を考え、丁寧に文章化したつもりです。

これを書くに当たって一か月以上を要しました。短いのか長いのかわかりませんね。(笑)

 

繰り返しますが、この記事の目的は悩んでいるイップスの人が読んで自分のイップスの原因や対処の方法を知る指標となることです。


そのための加筆修正は今後も行っていくつもりです。

 

ですので、私からの厚かましいお願いを聴いていただけると幸いです。

まず、ここにイップスについて書かれたものがあることを頭の片隅にでもおいてください。


イップスに苦しむ人に、偏見をぶつけないようにしてください。

 


そして、この記事を拡散してできるだけ多くの方に共有してもらえるように協力をしてくれると嬉しいです。

多くの方の目にとまれば、症例が増え 賛否両論様々な意見が交換され情報の精度が高まります。
イップスで苦しんでいる人に伝わる可能性が増えます。
イップスでない人も、予め知っているだけで予期せぬ誤解を回避したり自分がイップスになる予防になります。

これにて、私のお願いはおしまいです。

 

↓ Twitterのリンクです。RTよろしくお願いいたします。

 

 

 

あ、あと一つ。

これより下に、より詳しい症例とそれに関する私なりの分析をのせます。
おそらく非常に文量が多くなると思われます。
そちらも、余力があるときに参考にしていただけたら幸いです。

つづく

 

 

 

【詳しい症例】


名前
発症:ダーツを初めて〇年
期間:〇年以上
Rt:当時のRT 主にライブレーティング
症状:本人の自覚している症状
原因:本人の考えている原因、私が考えたもの
対処:本人が何をしたのか
改善:改善されたか、何がよかったか
心境:イップス中の心境

これを最初に提示し、次に経験者の話を載せ、私の分析や経験者の意見を交えます。

 

 


症例1 Cさん


発症:一年
期間:二年以上 今現在も
Rt:15
症状:グリップできない、テイクバックが深すぎる、重心のブレ、腕故障
原因:のちに詳述。フォームの修正のし過ぎ
対処:フォームを1から作り直す
改善:二年たってようやく進めたかな?
心境:伸び盛りだったので、きつかった

Cさん
「今もイップスですよ! 発生したのは2年以上前ですね。 症状はグリップが決まらない、テイクバック時に握り込む テイクバックエンドが深くなる→深くなりすぎてフライトが肩に当たる→それでも足りずに手首ひねってさらに深くテイクバック(勝見翔プロみたいな感じ) 。あとは副作用でスローの時重心がブレまくるとか、力技で投げるしかなかったので肘を痛めたとかくらいですねー。」

 

「 原因はわかんないですwww ある日突然握り込むようになりました笑 心境はショックでしたねー。 始めて3ヶ月でAフラ、半年でAA、1年でほぼSA、プロのことも真面目に考えてた矢先だったんでキツかったですね笑 2年たってやっと自分の中で前に進めたかなって感じですねー」

 

Cさんはかなり急成長を遂げた方で、フォームの変化もかなり正確に把握しているようでした。なので、さらに話を聞くと、「原因はあくまで僕の感覚ってことで、専門的なことはさっぱりですし…」といいながら詳細に話してくれました。

 

「まず根本的な原因はスタンスのズレだったと思います 前にお話した8割スローの弊害です。力を抜こうとするあまり、半端な姿勢(≠楽な姿勢)で投げてました。 その結果、まず指のテイクバックができなくなってました。ぼくの中でテイクバックは自動的に関節が返るのを利用しています。手首を後ろにMAXで反らせると、力を抜いた時に勝手に少し戻るんです。これが出来てないと関節の返しを使ったスローが出来ないので、インパクトまでにパワーもスピードも足りなくなってしまいます。」

 

8割スローとは、普段の8割の力でスローをすることです。
緊張したりして力んでしまい、的を外すことはありませんか?

普段から8割の力でコントロールすることができれば、緊張して力んでも自分のコントロール範囲内で済むという考えです。

 

Cさんの話に戻ります。

「指のテイクバックができないから、何かほかの関節を使うしかないので肘を無意識に使ってたんだと思います。これがダーツが顔に当たるまで引く→それでもテイクバックが足りずに勝見翔プロみたいに捻ることでさらに引くことで解決しようとしたんだと思います」

 

「グリップの握り込みの原因は2つの解釈があって、1つ目が肘のテイクバックでは足りずに、指の弾きを利用するために握り込んでる説 もう1つが不必要なテイクバックから起こる筋肉の硬直による握り込みじゃないか説 この原因は正直まだ分かってません」

 

ここが重要です。


Cさんはかなり繊細なフォームだったことが伺えます。しかし、その根幹である指のテイクバックができなくなっていました。この時点で、指について客観的に原因を分析し解決に取り組むべきだったかもしれません。当時のCさんは、無意識に指の代わりに肘を使ったようです。

次に、どうしてダーツを続けることができたのか聞いてみました。

 

「続けた理由は単純にダーツが好きって理由が1番です。 どんだけRt15のときのイメージで投げれなくてもやっぱ好きなんで、辞めようと冗談で言ったりしましたけど辞めるのが無理でした笑 中毒ですね、もう笑 あと大きかったのが仲間の存在ですね。 ぼくの師匠は沢山いるんですけど、みんなに支えてもらいました。 そーゆーの考えるとやっぱ自分のホームショップや仲間は上手くなる為にも強くなる為にも必要だなって思いますね。 ただ、イップスになったことをバレたくなかったので必死に隠してました笑 師匠にはバレてましたけど、他の人にはバレてなかったと思います笑 その頃は当て感だけでダーツしてました、それがイップスを酷くした原因でもあるとは今は思ってます、、」

 

ホームショップ、仲間という存在に支えられて続けることができたという話は多いです。
一人で投げているだけだと、ダーツの上達や成績がダーツの殆どを占めてしまいます。
しかし、一緒に投げる仲間がいるとダーツの楽しみに人間関係が含まれるのでモチベーションの維持がはかれるようです。

 

最後に対処と改善策について

「最後に改善策ですね、(Cさんが考えている方法は) 2つだけですね。 ①イップスの原因を突き止めて治す ②フォームぶっ壊して、1から作り上げる。 ぼくはぶっ壊しました、てか壊れましたww 師匠曰く、1度イップスになると完全に元には戻らないらしいです 治らないって言うのは元のフォームにってことで、違うフォームで克服するってことらしいです。 なんで、軽度のイップスだとその部分だけ変える(さらに技術を飛躍させる) 重度になるともう1から作り直すがいいかなーと思います。 ただこればっかりは人それぞれなんすよね笑 個人的にはオススメなのは馬鹿になってダーツすることですね。 レーティングもイップスも何もかも忘れて投げます、これが出来ない日は投げない方が精神的にもいいです笑」

 

Cさんはフォームが壊れているタイプなので、正しい認識だと思います。
馬鹿になって、というのも効果的です。精神的に追い込まれて負の連鎖に陥ることを止められます。

 

 

 


症例2 Fさん


発症:3~4年
期間:5,6年 現在も
RT:11
症状:腕が出ない、指が勝手に動く
原因:他人からフォームについて言われた、練習するほどに悪化
対処:まだ治っていない
心境:イップスなのかよくわからない。イップスと認められないことも多い

 

Fさん「ここ5,6年気持ちよく投げられていません。イップスなのか分かりませんが、18を狙って15のアウトボードとかよくあります。😢」

 

きし「最初の違和感とかきっかけは覚えていますか?」

 

Fさん「きっかけはありましたね。もともと上手くはなかったのですが、ライブ11をキープするくらいはレーティングもありました。ずっと投げてる友達がいまして、その友達がイップスに詳しい社長さんのことすごく好きでしてw 今思えばその友達は多分そこまでの知識もなかったのでしょうが、ボクの投げ方がイップスになる動作やと言い出しまして笑 そこから投げ方をいろいろ変えて、もっと上手くなりたい思ってダーツバーでプレイヤーとゆう名の従業員になり、どんどん投げ方がおかしくなりましたw セットアップ時矢角が↖︎がこの角度なのにテイクバックして腕を出そうとしたら、人差し指が勝手に動いて↙︎こないな角度にw それをやめようと意識したら腕がスムーズに出なくなりました笑」

 

きし「かなりの実力者だったのですね。イップスを意識して、なってしまったのでしょうか」

 

Fさん「イップスにならない為の動作を教えられて、イップスになったということですかね。 多分その友達の間違った情報を信じて、体の使い方がおかしくなったのやと思います。 腕じたいは、構えたところに戻すことができなくなり、上を仰ぐようにでて、指でこねくり回さないと腕が出せず。ダーツをしている人は、イップスである人を認めたがらない節があるのですごく大変ですw 腕が硬直してスローラインからはみ出ても腕が出ないくらいの人じゃないとイップスではないと認めないw 軽症なイップス重症なイップスもあるのに笑」

 

きし「イップスと認めたがらない風潮は確かにありますよね…。Fさんの場合、他人からフォームを矯正されて自分のイメージとパフォーマンスのズレからイップスになったように見えますが、ご自身ではどう思いますか?」


このとき、簡易的に作成していたイップス分類表を使ってどれに該当するか聞いてみました。すると、より詳しい当時の様子も聞くことができました。

 

Fさん「その頃とゆうかその間もずっと、ツレ同士(イップスに詳しい社長さん大好きなやつともう1人)であーやこーや言いながらフォームチェックしたりして、なんの問題もなく投げてたんですけど、 ある日社長大好き人間のツレが回内の話をしだして、オレのセットアップは回内してるとゆう話になってその動きはイップスの原因だとゆわれたんです。 ほんで今までは普通のプレイヤーみたいに手首が盤面に対して真っ直ぐダーツも真っ直ぐ(村松ハルキ、鈴木たけひろ)みたいにけっこうオーソドックスなセットやったんですけど、それを回内しない動作、矢を真横に向ける形にしたんです。 でもすぐにおかしくなったわけやなく普通に投げれてレーティングもAフラくらいはキープできてました。」

 

Fさん「そして前にもゆうてたと思うんですけど、ある日よく行ってたダーツバーの人にそんなダーツ好きならプレイヤーしてみないか?ゆわれて、おっ!お金かけずにダーツできるぅーおもてその店に入ったんですよ。

それがダーツ始めて3.4年 今から5年前くらいですね。(入ってからツレと投げに行くことは減った)そして入ってみてダーツ投げることになってまぁ突然投げるんでウォーミングアップもなし、制服もワイシャツで投げるようにまぁまぁ違和感はあったんですよね、腕が締め付けられる感覚があって いつもTシャツで投げてたんで、そんでやっぱ思うように入らんときもあり。 そこから少しずつ指の動きが出てきたんやと思います。

でも入る時は結構入ってたから最初はワイシャツによる締め付けが原因だとおもてたんで気にしなかったんですけど、プライベートで投げても人差し指が勝手に動くようなって 矢角を上から潰すようになり、店対抗の試合とかもあってこんな状況じゃアカンなおもて 久しぶりにツレに助け求めたんですよ!

そしたらフォームじたいは、ソイツがゆうてたみたいに、イップスになりにくいフォーム(回内)してたんで、おかしいなーそんな動きになるはずもないのにってゆう話で終わったんです。でも店に入ってウォーミングアップなしで投げるとまた指が動きだしそれの繰り返しでいつのまにか、18狙ってるのに15アウトボードいきだしてw ほんでこりゃまたマズイとなりツレに助けを求めたら、次は外人さんのフォーム大好き人間になっててw

ここから地獄の始まりですわな笑 スタンスの入り方セットアップの位置(高さ)元々高めに構えてたんで、それを肩より下にして重心もずしっとなるようにして最初は投げれて、肩に痛みとか出てたけど、そのまんま続けてたら指動かさな投げれない、それを止めようと思えば腕が出ない 2、3日投げずにおれば少しマシになるけど 投げ続けるともう腕はうんともすんとも言わなくなって現在に至るとw」

 

Fさんは、フォームを矯正している最中に投げている環境も大きく変わったことが分かります。環境の変化は直接的な原因というよりは助長する要因だと思いました。

 

そして、Fさんの結論

 

Fさん「端的に話すと筋肉論と精神論です笑 不慣れなフォームでのウォーミングアップなしのダーツ。そんで精神論の部分は、元々Aフラあったから僕の田舎の方ではまだちやほやされるレベルやったんです。それがなかなかええダーツうてない。バレルが好きやったからコロコロ変えてたのもあるんでそこでも体の使い方間違ってしもたんでしょうね。ノンアルで投げてけど、お酒飲んで投げなくちゃいけない日もあったしフォームもぐちゃぐちゃになってたと思うし😿」

 

このFさんと話していて、付け焼刃型という考えを得ました。
Fさんの症例は以上ですが、Fさんの悩みについてもききました。
これは、他の人にも当てはまりそうなのでさらに追記します。

 

Fさん「あといろいろネットで調べたけど、難しい言葉がすごい多いから理解もできひんかったしw五十嵐社長のブログとか特にねw商売やからすぐわかったらアカンのやろうけど笑 あとトッププロに聞きに行けば何か掴めるかなおもたけど、ボクの近くにはそんなんおらんし、一回や二回行っただけでは親身にもならんしね笑」


Fさん「正直ツイッターも登録はしてたけど やってなくてもしかしたらイップスが治る何かに繋がらんかなーおもてやり始めたら やっぱアカンわね笑 冷静に考えればわかることやけど、イップスに詳しいトッププロをフォローしてもなーーんの意味もなかったしw関東とか近くにそういった人がおる環境はいいけど、そうじゃない人はすごいしんどいやろなーて思います」

 

これは、イップスについての情報がいかに少ないかを示しています。
多くの場合、全てのイップスが網羅されていないですし、体系化されていないのではないかと思われます。

 

Fさん「最近ではあまり外に投げに行かず家で投げてますけど、昔のフォームはセットアップをして投げてました、今はもう全く違うので腕が出なくなるのは少なくはなってきましたね。 セットアップして投げたいけど、もう無理ですねw元に戻すのは ダーツってほんまに不思議なもんです笑 それなりの年月とお金をかけてやってきたことが一瞬でパーになるんですからw」

 

イップスは、多くの場合試行錯誤して反復練習を多く積む人に発生します。なので、そこで培われた技術が失われる苦しみは誰しも強く感じています。
そういう人に、偏った知識でイップスではないと否定したり、誤った解決策を押し付けることは本当にしてはいけないと思います。悪気がなくとも…


そして、Fさんからはその後もお話を聞かせてもらっています。それも最後に載せますね

 

Fさん「先生報告いたしますw 今日の朝から気持ち良さはないけど、なんとなく入ってて、さっきまで投げに行ってきたけども。 投げ続けると、少し固まりが出てきて。 思った動きができてなかったなと 感じでゆうと脳からの伝達と体のしたい動きが合致せえへん感じ? 脳は落ち着いてるけど投げる体の動作は先走る。そうゆうズレからどんどんフォームとかリズムは崩れてきた。 でもたまたまやけど入る。ほんで少し時間おいてみたものの、やっぱ投げ始めの時の少し気持ちいい感覚には戻れずズルズルみたいな感じ💦」

 

きし「お久しぶりです!! ありがとうございます! 気持ちいい投げ方って、頭が落ち着いていて、入る自信があって、身体が緊張せずに脳の言うことを聞く状態ですよね。それが、入ってくると、もっといけるんちゃうかって、もっといい状態にこのまま向上するんちゃうかって思うんですね。

そしたら、外したダーツに意識しちゃって、そうすると、頭と身体のバランスがズレちゃいますよね。ズレ方は人それぞれですが、僕はどんな風に投げればいいのかなって身体のフォームに意識がいっちゃって頭でっかちなダーツになります。
逆に、的に集中して感覚を追いかけていくと身体がいつもじゃないフォームをとっていたり、そういう時に、少し休むのはいいと思いますよ! 少なくとも悪化は防げたはず。何か、ズレる場所に規則性があったりします??

逆に、てんでバラバラというのもありますけど。それと、脳は落ち着いていて身体が先走るってのもヒントですよね 「ここで、こんな感じに、こうやって投げたら」って考えてるのは実は脳が焦ってるんです。
本当は、こんな感じに投げたらどうかな? 入った! 入った感覚はどんなだったかな? で入った感覚を再現していくのが普通です。ここで、頭でイメージして入れてやる!って投げるとき、心は落ち着いていても、普段と違う考えで動いてますよね。 入った!外した! のステップを踏まずに、入れたいって気持ちが先走ってます。これ、心は落ち着いていても身体が投げたがってるのに近くないですかね。身体が、今のミスは違うんだ!はやく入りたい!入れるために次々投げたい!って」

文字にすると、長いですね💦

こんな風な相談や会話もあるということで。

 

 

 

症例3 Gさん


発症:2年数か月
RT:ハードダーツ
症状:投げ方が分からず、手首が固まる。ボードに届かないレベル。テイクバックの時に力み、長く引く。重心がぶれる。
原因:不明。緊張
対処:三か月投げない。→師匠からの指導で復帰。現在勝つイメージ作り、短期目標を立て
て投げることに意識しないようにしている。
心境:ダーツを辞めようと思った。やりたい気持ちが勝った

 

Gさん

「去年の夏くらいかな? 本当に投げれなくて、投げ方も分からなくなって、ダーツ握るだけで手首が固まるの。 無理して投げたら床に刺さるし…ボードに届いたらラッキーみたいな(笑)」

 

Gさん

「テイクバックの時に力んじゃう感じ。 普段はあまり長く引かないのに長く引いちゃったり…。 あと、 体の重心がブレブレだったりもしたなぁ。 改善法は私の場合、『投げない!』事にした無理に投げても投げれないし、どうして投げれないのって落ち込んでイップスを極めてくだけだから、ダーツとは3ヶ月くらい距離を置いてたね。 どうしても投げたくなったら、野球ボールくらいのゴムのボールを、仰向けに寝てひたすら真っ直ぐ投げてはキャッチしてって言うのをやってた!」

 

Gさん

「3ヶ月の間はとにかくダーツにも触れなかったし、家のダーツボードも見えない様にカーテンみたいなので覆ってたんだけど、 イップスの事を師匠に話したら、「(投げ方)見てあげるからお店に来い!」って言われて、投げ方を改善してもらって…で、まぁ見事復帰するんだけど、、、 リーグ戦でたら、まぁ、緊張で…「もしボードに刺さらなかったらどうしよ」とか考えちゃって、復帰した後も完治する迄には結構かかったね。 というか、今も緊張するとイップス気味になるんだけど、勝つイメージとかダブルを決めるって目標を立てると、投げる事にあまり意識をしなくて済むから、前みたいにイップスにならずにすんでる!」

 

Gさんの特徴的なことは、ハードダーツがメインでリーグや大会と対人戦が非常に多いことだと思います。特にギャラリーのいる対人戦は非常に緊張しますし、ミスも記憶に残りやすいので失敗体験が蓄積したりすると心理的に投げられなくなるのだと思います。

これに関しては、Gさん本人も認めています。

Gさんの話は、イップスを克服するうえで参考になる話がすごく多いので紹介しようと思いました。

 

また、イップス本人ではなく周囲の人の話も良いなと思ったので記載します。

 

Gさん

イップスってまだ信じてない時にリーグ戦出たんだけど、 その時に、チームメンバーがひたすら楽しい雰囲気を出してくれて、それが気持ちを楽にして投げやすくしてくれたの。要は、 変に「大丈夫」とか「考え過ぎないで〜」って言葉掛けをするよりも、「今日なんか楽しいね~!」「酔っ払ってボードが回って見える〜」っていう風に、楽しんでダーツしようよ!みたいな感じを出してくれる方が有難かった。 壁に刺さった時なんて、壁にポスターが貼ってあったんだけど、「あのポスター嫌いなんですか?!」とか大袈裟に言われて、笑えて、「どうしよう」って考えで一杯だった頭が少し空になった感じがしたの まぁ、すぐには治せるものじゃないけど、イップスって真面目に考え過ぎるからなっちゃうものだと思うのね、だから、ボードに刺さらなくても、狙った所に入らなくても、楽しんで投げる!って大切だし、イップスにならない1番の対策法だなって思った。」

 

ミスに対する接し方が伺えます。
イップス経験者が一番つらかったひとこととして、「どうしちゃったの?」という言葉が聞かれます。どうして外したのか、どうしたら入るのかわからないまま必死に練習をしている人もいるので、Gさんの周りの人のようにおどけて見せるのもいいのかもしれません。

もちろん、本人が嫌がるように茶化すこととは意味が違います。その場の雰囲気の話なのでうまく言えませんが、楽しくプレーできる環境を作ることは大切です。

 

 

 


同じく心理学的苦悩からイップスを発症したHさんの話

 

症例4 Hさん


発症:7年
期間:二年~三年
RT:13まで急成長
症状:急に大会前日に投げられなくなる。ボードに届かない。
原因:投げ方の癖、プレッシャー
対処:ダーツを減らす、理屈理論でフォームを模索する、全く別スタイルの獲得
心境:RTが戻ったというのは違う。

 

Hさん

イップスになったのは27歳位の頃でかれこれ5年くらい前ですかね。 当時上がり調子でLIVEで7から13までを1年弱でなりまして、大会にもいろいろではじめた頃です。 大会にも慣れてきて遠方の店舗の女性の方と大会に出る事が決まり、練習をしていた所、大会前日に全くボードに届かない、投げれないという症状が急に出ました。 投げ方にも癖があったので投げ方の原因もあったかと思いますがどちらかというと精神面が大きかったんじゃないかと自分では思ってます。」

 

Hさん

「ペアの女性が実はそちらの地元の大きいダーツバーのオーナーの彼女さんであり(大会3日前くらいに知った)性格もきつめで怖く、変わっている方でした。 女性は初心者でしたし、自分がやらねば!と言う思いがかなり強くなっていて、ダーツを入れる事しか考えていなかったかと思います。 それがさらに癖のあるフォームに無理をさせていたんだと思います。」

 

大会も、シングルスとダブルスでは緊張の度合いが異なります。とくに、相方とRTの差が大きければ、自分の結果次第で勝負が決まるので責任やプレッシャーを感じやすくなります。


Hさん

「期間としてはイップスに悩まされたのは2年ほど。 症状としては3年ほどあったかと思います。 改善策は当時まだ今ほどイップスという言葉が浸透していませんでしたし、自分の周りで改善策を持っている人もいなかった為、ネットでの情報を手探りでやってみるというのが方法でした。 自分が改善できた方法は、投げる頻度を極端に減らし(週5→月2)投げる時も入らない事は当たり前なんだと暗示しながらやってました。 あとは自分がどうやって投げていたのかと、どうやって投げたらストレスがないのかと言うのを理屈、理論でまず構築しその投げ方を試してはやめを繰り返し、自分への合っている投げ方を探り、投げ方や考え方を変更していっています。 これは今現在でも常に考えながらやっています。」

Hさん

「レーティングはLIVEで13から6まで1ヶ月かからず落ちました。落ち方も13あればゼロワンは95くらいのスタッツですがなだらかに落ちる(調子が悪い人など)落ち方ではなく、投げればスタッツが20くらいしかでなくてという落ち方です。」

 

Hさん

「クリケも20を狙ってもよくて19トリやダブルまでいってしまう感じでした。 6になった頃には投げる頻度はかなり少なくしていて、カードも通さずにやっていたので、通していたら3.4くらいまでいってたかと思います。 3年たって症状がほぼ抑えれるようになって、やっと6~7のレーティングを打てるようになり、投げ方改善をずっと繰り返してそこから2年程で現在はレーティング14です。 周りの人にはやっともどったね!と言われますが、当時のレーティング13とは全く別人の14です」

 

Hさん

「余談ではありますが、よくレーティングが落ちて元の数字に戻った時に「やっとレーティングもどった!」という方が多くいらっしゃいますが、もどったのではなく、落ちた時からそのあとの練習もふまえて進歩しているのであって、もどった!ではなく、また違った形でそのレーティングになっているんだと思うので「なった」の方が合ってるんじゃないかと思ってます。」

 

Hさんのように、ダブルスで出場したことがきっかけという症例は他にも二件ありました。
Hさんは自分で色々しらべ、非常に論理的に取り組んできたことが改善に役立ったようです。
Hさんの考えや知識には、一緒に話していて凄いな、と思わずにはいられません。

ただ、情報が少なく知識が体系的にまとめられていないため、Hさんも時間がかかったようです。

それに、全く違う形で再成長という方法を取ったことは時間がかかる気がしますが、イップスから抜け出す合理的な方法です。

多くのイップス経験者は、治らない、いつ治るかわからないという不安を抱えています。

このHさんのようにある程度の時間がかかることを覚悟して臨めば脱却の糸口になるかもしれないと思い、紹介しました。

 

 

 
症例5 Iさん


発症:二年
期間:三年
RT:12
症状:急に手が前に出なくなった。ボードに届かない
原因:不明
対処:数年ダーツから離れる。さくさく投げる
心境:最悪

 

急に腕が出なくなってしまい、ボードに矢が届かなくなった。
RTも12からすぐに4まで落ちてしまい、誰にも勝てなかった。
周りの人からは、考えすぎといわれるが原因はよくわからない。

 

Iさん

「心境は最悪、イライラ、ストレスだね! 誰にも勝てなくて駄目すぎて泣けてくるよね。Aフラ超えてイップスは辛かったよ。 積み上げてきたのがすべてダメになったからさ」

 

ここまででは原因がよくわかりません。改善策についてみていきましょう

 

Iさん

「3年ぶりに、なげても微妙にイップスのこっててどうすればいいのかなぁっておもってたのね。 それで!! おもいついたのがサクサクなげるってのね! 引いたらすぐ投げるの繰り返しをずっとしてたら、俺の場合はなおったよ! ブル入ることよりもイップス治すの優先にしてたからね!」

 

改善策を見るに、一度時間を空けてリセット。そのあと、サクサクとテンポよく投げることで投げ方を取り戻したように見えます。

イップスの型は、正直どれだか断定は難しいですね。おそらく、何かを起因に複雑化しているのかもしれません。

そこで、3年時を空けたことで複雑なものがリセットされ残ったものが失認かと思います。

もしくは、全てリセットした後に元々の回路を呼び起こす面もあるのかもしれません。

発生よりも、改善策が素晴らしいと思ったので紹介しました。

 

 

 
症例6 Jさん

 

Jさんは綺麗に纏めていただいたので、それをそのまま掲載します。

 

・当時のRT 11~13のライブレーティングをウロウロしてた頃です


・練習状況・環境 練習という練習はしてなく、ダーツをする環境でアルバイトしていました。お客様には失礼かもしれませんが、お客様と対人する事で日々の練習にしてました。アルバイトは週4程度 働いて1年ぐらいが経過した頃です。


・症状 全くダーツを投げれなくなりました。手からバレルが離れないと言うのでしょうか 。構えるスタンスまでは出来るのですが筋肉が萎縮してしまって、手を振る事が出来なかったのです。心の中にあるいつも投げている自分のリズムと筋肉が連動せずに詰まってしまう感覚ですかね? それでもお客様と対人してるわけですから、投げなければいけない、早く投げなければ迷惑をかけてしまう、という意識から更に萎縮。冷や汗もかなりかいて、プレッシャーを感じてました。一投目を投げれると 楽に二投目、三投目と投げれたのですが 一投目を投げるまでにかなりの時間がかかりました


・思い当たる原因 友人と出た大会で、当日MAXフライトに出ました。しかし当日は余りにも入らず、全体的にプレッシャーを感じるようになり、終いにはダーツがボードに届かなくなると言う事態まで発生しました。その頃からか上手く出せなくなった気がします


・実践した対処法 「結局自分は構えて、腕を振る事が出来ないから、飛ばせない」 という事は理解していたので、バレルを持ってない時に何度も素振り。ダーツを投げる際は、何も考えずにただ腕を振ってボードにダーツを飛ばす。この感覚を身体に覚えさせようと何度も投げました。もちろん詰まりそうには何度もなりましたが、強引に腕を振りました。腕を振ることは日常生活で出来て当たり前のことなので、当たり前を実践する。この事を念頭に レーティングなど気にせず適当に投げてました


・改善されたか 3ヶ月くらいで治りました。もちろん3ヶ月でピッタリ治った訳ではなく 要所要所大事な部分でかなり手が詰まる感覚がありましたがなんとか戻ること無く今では何も感じず楽に投げれる事が出来ます

 

Jさんは大会で緊張やミスが原因でダーツが投げられなくなりました。
つまり心理学的苦悩なのでしょうか?

 

 

Jさんは、プレイヤーとして働いたため自由なタイミングで投げることができませんでした。

それが原因でしょうか?

 

 

Jさんはこのように、ストレスがかかる環境にいたため心理学的苦悩が原因のイップス化のように見えます。しかし、改善策は全く異なります。

 

投げることができないから、投げられない。投げる感覚を取り戻そう。という克服法を取っています。

 

Jさんの場合、きっかけや助長の原因が多くあり複雑です。

一見するとメンタルの問題に見えますが、それらをきっかけとした失認であると考えたほうが辻褄があいます。

 

 

Jさん自身、自分は特別メンタルが弱いわけではないとおっしゃっていました。

 

 

この事例は、他人のイップスの原因を勝手に断定してしまうことの危険性を伝えてくれます。イップスの原因、型、改善策は自分自身で判断し選択しなければならないのは、これが理由です。

 

アドバイスや手助けは、仲間として大切な事。それが本人の害にならないようにする方法は、知識の得方を教えてあげることだと思います。

 

以上で症例をいくつか挙げてみました。
この症例の追加、本文の加筆、修正は今後も行う可能性が高いです。

ここまで読んでくださったみなさん、ありがとうございました。

終わります。